投稿日:2018年6月12日
高付加価値戦略への転換がホテル産業の持続的発展のカギだと考えます。その理由は、この戦略を実行することによって、「キャッシュフローの最大化」「顧客の質と量の最大化」「ブランド価値の最大化」が実現できるからです。
そしてこれらを実現しうるコンセプトが、顧客生涯価値(CLV=Customer Lifetime Value)の戦略化です。生涯を通じて、さらには世代を通じてそのホテルを継続的に利用する顧客を創造することが重要なのです。
インターネットやSNSなど情報社会の進化が加速する環境においては、サービスの品質や価格に対する評価が瞬時に行われるため、常に提案力のあるサービスを展開しなくては、他社との差別化や高単価を維持することは難しい。マーケットというのは日々、経験価値を重ね、成長していくものであり、新しいニーズを先読みしそれを提案する力が無くては、選ばれるホテルにはなれません。
顧客自身もまだ気付いていないような新しいニーズを形にするという一連のオペレーションを「おもてなし」という時、それを、コストがかかる不必要な、過剰なサービスであるとする風潮もありますが、コトラーがその著書で「顧客からすれば、もしその会社が献身的であると感じられるなら、別の商品も買いたいと思うはずである」(フィリップ・コトラー著『マーケティングの未来と日本』2017)と述べているように、「献身的」という、一見、非効率にみえるような価値が再認識されていることに注目するべきでしょう。
ただし一方で、日本のホテルマネジメント力が欧米と比較して脆弱であるという課題認識とその克服のためのアクションは不可欠です。
世界に冠たる日本の「おもてなし」の価値を最大限に発揮し、真の観光立国を実現するためには、接遇だけではなく経営もできる、実践的で理論的で経営学的能力を兼ね備えたマネジメント人材の育成が肝要です。
#ホテル,#観光,#マネジメント,#ホスピタリティ,#サービス
Comments